法
大日方純夫『警察の社会史』を読んだ。警察の社会史 (岩波新書)作者:大日方 純夫発売日: 1993/03/22メディア: 新書 以下、気になったところだけ。 実際には娼妓の自由廃業の前には、依然としてたかい塀がたちふさがっていた。 (略) 遊郭主と警察が結託して…
鈴木大介『家のない少女たち』(2008年)を読んだ。 本書は、児童買春が法で禁じられている日本において、その違法行為をすることで生き延びている者たちの実態を描いたルポルタージュである。 今回は、その具体例に触れた本文に対する感想は書かない。 ここで…
再び『憲法のimagination』を読む。 ルソーは、戦争とは相手の国の社会契約に対する攻撃であり、根本的なレベルで大戦争にいたる国家間の対立を終結させるためには、社会契約自体を変更する必要がある、と述べた(175頁)。 で、戦前日本の憲法だと天皇主…
長谷部恭男『憲法のimagination』を読む。 著者のユーモア(芸?)も混じえつつ、著者の憲法観が早分かりできる(?)好著だ。 著者の学問的(及び非学問的)興味は広く面白く、そこも見所。 「配偶者」さん(も学者。)とのやり取りも面白い。 憲法は、公務…
小坂井敏晶『人が人を裁くということ』を再び読む。 ある研究。 取調べの場面を録画(録音)して、大学生と警察官に見せ、被疑者が本当のことを述べているかを答えさせた。 嘘だと誤判断した割合の場合、大学生46%に対し、警察官は67%だった(正しいと…
小坂井敏晶『人が人を裁くということ』を読む。 日本の裁判員制度だと、裁判官3人全員が死刑判決を支持すれば、裁判員6人のうち2人が賛成すれば、過半数になってしまう。 頭のいい裁判官になら、2人程度の誘導など難しくあるまい。 他の国ならどうか(1…
郷原信郎『検察が危ない』を読む。 検察は、90年代のゼネコン絡みの事件の時、結局業界の談合構造そのものに手をつけなかった。それどころか、指名競争入札から一般競争入札になって、業者間の"調整"行為は巧妙になった、という(112頁)。 要するに、…
「フランスの考え方は、表現におけるメディアの自由ではなく、個人の自由ということです。個人の自由を最大化するために、メディアは国がコントロールすべきものと考えています。少数派に発言権を与えるために、弱い新聞を公的支援で助けるわけです。ところ…
■「自分主義」ではなく、「個人主義」■ 「個人一人一人」の「選びなおし」に開かれている文化と、そうでない文化とは、「等価ではありえない」という主張も実に重要です(72頁)。例えば多文化主義に対し、「少数者への帰属」だからじゃなく、「そもそも個…
樋口陽一『人権 (一語の辞典)』三省堂 (1996/04)■国家が生んだ人権、あるいは企業献金について■ 本著は、少ない頁数ながら、ぎっしりと内容の詰まった名著です。人権を、思想的な観点から、そして、法制度的観点から読んでいるのが特徴です。本書に関するす…