2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

暴力装置が抱いた欲望 -武装組織が台頭した諸事情- 【続・ワイマール共和国内部の武装組織について】

前記事より続き。■なんで武装組織ばっかだったんだよ!■ ここで一点、疑問に思われる方が、おられるかもしれません。なぜ、ワイマール共和国は、武装勢力だらけになったか。 詳細は分かりませんが、ドイツ義勇軍(フライコール)の存在が大きかっただろうこ…

暴力装置の機能不全 -ワイマール共和国内部の武装組織について- 【ブクマを振り返って】

著者はこの「たたかわなかった」ワイマールという話自体が神話であったのではないかと説く。ワイマール共和国はけっして自らを攻撃する勢力や運動に寛大であったわけではない。むしろ刑法の内乱罪や「共和国擁護法」を活用し、「共和国の敵」に対して言論段…

新聞が滅びるとか騒ぐ前に、「一般人の反論権」と「新聞社内部での発言の自由」を認めろ -ブクマを振り返っての感想-

「フランスの考え方は、表現におけるメディアの自由ではなく、個人の自由ということです。個人の自由を最大化するために、メディアは国がコントロールすべきものと考えています。少数派に発言権を与えるために、弱い新聞を公的支援で助けるわけです。ところ…

豊下楢彦『集団的自衛権とは何か』は、なぜ「集団的自衛権」以外に頁の大半を割くことになったか -あるAmazon評を読んで-

■はじめに■ 今回踏み台(←失礼)となる文章はこれです。■集団的自衛権と憲法とコスト■現在の「集団的自衛権を行使しない」と解釈してきたことを説明するものの、なぜ保有すれども行使せずと解釈してきたかについては全く説明されない。 本書をよく読みましょ…