2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「なんでキリスト教ってあんなに広まったんだよ?」に対する田川建三の回答 -田川建三『キリスト教思想への招待』を読む-

田川建三『キリスト教思想への招待』を読む。キリスト教思想への招待作者: 田川建三出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2004/03/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 17回この商品を含むブログ (27件) を見る カール・バルトの神学について。 カール・バル…

「政治家のレベルが下がったというより、国民の要求レベルが上がった」というごもっともな話/ほか -原田泰『日本はなぜ貧しい人が多いのか』を再び読む-

原田泰『日本はなぜ貧しい人が多いのか』(2009年)をまた読む。 著者は、日本は、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、のように、生活保護の給付水準を引き下げて、生活保護を受ける人の比率を高くすべきだ、という(96頁)。 イギリスやフランス、ド…

そりゃあ、下手な産業政策論より、(広義の)インフラ整備のほうがずっと平等ですよね -原田泰『日本はなぜ貧しい人が多いのか』を読む-

原田泰『日本はなぜ貧しい人が多いのか』を読む。 著者とスタンスを同じくする人も、そうでない人も、是非ご一読いただきたい。 政府が、産業に出来ることについて(24頁)。 日本政府が国内産業に出来ること。 何をすればいいのか、実は学問的に、良く分か…

「じゃましマン」が凄過ぎる、という結論しかない -松本哉、二木信,編『素人の乱』を読んで-

松本哉、二木信,編『素人の乱』を読む。 松本の証言によると、PSE法の時は、「国会議員に訴えたりマスコミとやりとりしたりが多かった」らしく、そっち方で忙しかったそうな(111頁)。 マスコミへの電話やファックス、政党や国会議員へのコンタクトなどで…

サルコジ(当時,大統領候補)より労働者に優しくないニッポンの政治 orz -あと、「いい加減、供託金自体廃止しろよ」な件-

薬師院仁志『民主主義という錯覚』を再び読む。 J・S・ミルは、「知性の度合いが低い」人間が投票する危険を排除するため、普通選挙のために「試験」を実施すべきと提案した。 衆愚政治を嫌ったためだ。 現代からすると、奇異に思う人もいるかもしれないの…

究極的な民主主義は、確かに"くじ引き"だ -英米的な所有権優先主義 VS ルソー的"みんな"による法治国家主義-

薬師院仁志『民主主義という錯覚』を読む。 タイトルを実際の内容に即して付け直すと、『日本人が誤解している「民主主義」のあれこれ』見たいな感じかな。 正直言うと、米国はともかく、英国の政治に対する考察が不足しているため、いまいち内容がまとまっ…

「10個の2位よりも、1個の1位を目指せ」的な話なわけですよ -飯田泰之,坂口孝則『経済とお金儲けの真実』を読む-

飯田泰之,坂口孝則『経済とお金儲けの真実』を読む。 目次を見ると「釣り」が多いけど、指摘は比較的マトモですw 経済(マクロ)とお金儲け(ミクロ)の関係を、主題にした珍しい(?)本かも。 それにしても。この本にも、戸籍法がなぜ未だに残っているのか分から…

「あなたがいなくなると悲しい」、あるいは、仏教と自殺の関係について少し -磯村健太郎『ルポ仏教、貧困・自殺に挑む』を読んで-

磯村健太郎『ルポ仏教、貧困・自殺に挑む』を読む。 釜ヶ崎で日雇い労働者や路上生活者の支援をしている大谷派の僧侶・川浪さんは次のように言う(65頁)。 路上生活していた時に、「はじめて寝た日、不安で不安でたまらなかった」、と。 ヒールの音が近づ…

結局、「コンプライアンス」の適切な訳語は何でしょうね? -郷原信郎『検察が危ない』を読みながら-

郷原信郎『検察が危ない』を読む。 検察は、90年代のゼネコン絡みの事件の時、結局業界の談合構造そのものに手をつけなかった。それどころか、指名競争入札から一般競争入札になって、業者間の"調整"行為は巧妙になった、という(112頁)。 要するに、…

「彼らの労働を肯定できずに、誰の労働を肯定せよというのか」、あるいは「迷惑上手」のススメ -大熊一夫『精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本』を読んで- (追記あり)

大熊一夫『精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本』を読む。 かの悪名高い、宇都宮病院、大和川病院の話も出てくる。 日本の精神病棟は、九割が私立。 23頁の箇所を引用すると、 先進国のほぼすべてが一九八〇年以降、精神科病床を急激に減らして、精神病…

問題:「海徳格爾」って誰のことでしょうか? -王前『中国が読んだ現代思想』を少しだけ読む-

王前『中国が読んだ現代思想』を読む。 中国語では、ハイデッガーのDaseinの訳語は、「親在」らしい(熊偉による訳語)。 「親」は、身をもって、自ら、親愛などの意味で使われるため、ハイデッガーの言う、「情態性」の意味と一致していると言う(52頁)…

「これは"太平洋戦争"ですか」「はい、"アジア・太平洋戦争"です」 -旧日本軍が東南アジアにいた頃-

倉沢愛子『「大東亜」戦争を知っていますか』を読む。 所々、反論したい所も出てくるけど、主題部分については勉強になる箇所が多い。 ちなみに、著者は、太平洋に面してなくても東南アジアも戦場・占領地だったんだから、カッコつきで、「「大東亜」戦争」…

小泉政治を振り返る(但し、何故か2003年の書物を使ってw) -政策的な節操のなさと、制度への無関心-

大嶽秀夫『日本型ポピュリズム』を読む。 2003年の書物。 所々面白い。 小泉純一郎は、実は、外交や防衛問題に殆ど関心のない政治家である(91頁)。 例えば、彼は、岡崎久彦(元駐タイ大使)からのレクチャーで、集団的自衛権の問題を聞いている。た…

タダで生きることの知恵、そして、タダで即戦力を得ようとする愚かさについて -松本哉『貧乏人の逆襲!』・雑感-

松本哉『貧乏人の逆襲! -タダで生きる方法-』を読む。 実に実践的。 そして、説得的。 野宿の際は、サングラスかけて寝るのも手である(26頁)。 起きてるかどうか、分かりにくいから。 実際効果的だ。(夜なら、まずバレない) ヒッチハイクの方法。 道端で…