2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

民主主義を単なる多数決と混同しないためにも、ぜひ読んでおくべき本。 -坂井豊貴『多数決を疑う』を読む-

坂井豊貴『多数決を疑う』を読んだ。 多数決を疑う――社会的選択理論とは何か (岩波新書) 作者:坂井 豊貴 発売日: 2015/04/22 メディア: 新書 内容は紹介文のとおり、 選挙制度の欠陥と綻びが露呈する現在の日本。多数決は本当に国民の意思を適切に反映してい…

自分のやっていることに意味とか価値とか張り合いなんて、なるべく感じないほうがいいのだ ―金井美恵子『夜になっても遊びつづけろ』を読む―

金井美恵子『夜になっても遊びつづけろ』を読んだ。 夜になっても遊びつづけろ (1977年) (講談社文庫) 作者:金井 美恵子 メディア: 文庫 内容は、 『夜になっても遊びつづけろ』に収められた、若き日の、ある独特の観念の硬さがそのまま、引き締まった持続と…

「思想を述べないというのも一つの思想的態度」、「政治に係わらない態度が、まさに一つの政治的立場」 -笹沼俊暁『「国文学」の戦後空間』を読む-

笹沼俊暁『「国文学」の戦後空間』を読んだ。*1 「国文学」の思想―その繁栄と終焉 (学術叢書) 作者:笹沼 俊暁 メディア: 単行本 内容は、紹介文の通り、 「国文学」という学問は、第二次世界大戦の前から後へ、いかにして継続し、変貌を遂げたのか。大東亜共…