思想・哲学

マルクス主義・リルケ・ショー 藤田省三『全体主義の時代経験 (著作集6)』(2)

■「マルクス主義のバランスシート」■ 本論の目的は、宮崎哲弥による、藤田省三の意見の引用の仕方の問題です。 宮崎哲弥が引用したのは、「マルクス主義のバランスシート」という、藤田省三の、経済学者・塩沢由典との対談です。この対談はどんな内容だった…

意味づけられない「ナショナリズム」論 藤田省三『全体主義の時代経験 (著作集6)』(1)

・藤田省三『全体主義の時代経験 (著作集6)』みすず書房 (1997/10)■宮崎哲弥の藤田省三への言及■ 宮崎哲弥は、「? 戦争と「善き生」…安易な国家依存に抵抗」(『朝日新聞』2003.8.13.〜21.文化欄、シリーズ《ナショナリズムを問い直す》より)…

鉄道の20世紀と天皇 原武史『鉄道ひとつばなし』(2)

官への距離、というテーマはどうか。東急の祖・五島慶太と阪急の祖・小林一三という二人の比較から、それが見えてきます。自社への天下りを推進した五島と天下りを嫌った小林、国鉄の構内敷地を間借りする形で駅を作っていった東急とターミナルを国鉄から区…

鉄道をめぐる、茨城と柳田國男の話 原武史『鉄道ひとつばなし』(1)

原武史『鉄道ひとつばなし』講談社 (2003/09) この本についてはすでに、本書の魅力を伝える書評が存在しています。それを見ると、その人がどこを気に入って読んだのかがわかります。 たとえば、『三遊亭らん丈のらん読日記』様は、東京駅があの場所にある理…