飯田泰之『ダメな議論』を再読。
「経済評論家が用いる『必ず当たる予言』のコツは、『いつまでに』という期間か、『日経平均で何円程度』という幅のいずれかを曖昧にするところにあります。」(35頁)
なるほど、こういう人たちを、俗に"ソエジスト"って呼ぶのだねw
「本当に『欲しいものが全くない』という人は、給料の一部、少なくとも昇給分くらいはアフリカの恵まれない子どもにでも匿名で寄付してほしいものだとおもうのですが」(119頁)
なるほど確かに。
節約して貯金するって行為も、清貧なイメージがあるけど、よくよく考えたら実は、「将来の安心」という贅沢を購入しているのとあまり変わらないんだよね。
何で贅沢かっていったら、そもそもこの世界には、ろくに貯金さえ出来ない所得の人もいるわけですからね。
「バブル崩壊が90年代長期停滞のきっかけであったことは否めません。しかし、それが大停滞の主因であると言う考え方(略)はかなり疑わしい」(167頁)
実際、出典(原田泰『日本の「大停滞」が終わる日』)のデータを見ると、実は経験したバブルの大きさでは、スイス(1984〜1990)とか、ニュージーランド(1983〜1987)の方が日本よりも大きかったのに、その後の停滞は、日本よりずっと軽度に済んでいる。
こりゃあ、当時の日本の政治(行政)の舵取りに明確に問題があったことがすぐ分かる。
あと、人為的にバブルを潰すこと(俗に言う「バブル退治」)についても、著者は批判している。というのは、?バブルはバブルである以上何もしなくても自然にはじける、?バブルははじけてみないと、それがバブルかどうか判断できない代物である、という理由。
もしかしたら、それがバブルではなく、正常な好景気だったかもしれないのに、それをぶっ潰してしまうわけだから、罪は非常に重いよね。