石原慎太郎における左翼性

石原慎太郎における左翼性■

 石原慎太郎という人はいつまで左翼だったか調べるべきだと思うんだけど(笑)、 […] 深沢七郎『風流夢譚』(初出『中央公論』一九六〇年一二月号)をいちばんナイーブかつ左翼的に読んで「われわれ庶民に天皇制はいらない」、「痛快な小説だ」とかと、週刊誌のインタビューに答えて言ってる。もちろんこれは「風流夢譚」の誤読だと思うけど、 […] あるいは『国家なる幻影』(文藝春秋社、九九年)という回想録を読むと彼が七〇年代後半に環境庁長官になった頃、川本輝夫に対するシンパシーを語っている。 […] 「第三国人」発言などを挙げつらっただけでは石原慎太郎の批判など出来はしないわけで (某書より引用)

■「舶来思想」への反動?■

 由良君美吉本隆明の思想を特徴づけて「本地垂迹説」と言ったことがあります […] 「ここ・いま」へ繋がる伝統への回帰、手触りの確かさみたいなものがないと何もできないのだ、という発想が当時の思想状況にはあった。 (某書より引用)

■廣松先生のサービス精神■

 寺山さんと廣松さんは、世間知らずの若者がいきなり頼みに行っても、どんな企画でも全部受けてくれる有名人の双璧だった。廣松さんはパチンコ雑誌にまで「ギャンブルについて」という文章を書いていたぐらいです。 (某書より引用)

■犬が轢かれて■

 車に轢かれたのに、車の下に逃げ込むとは奇妙なことだなと私は思った。しかしよく考えてみれば、傷ついた犬にとっては、動いているものと動いていないものの区別がいちばん大事なのであって、動いているものなら車だろうと人だろうと、見も知らぬ人間だろうと飼い主の家族だろうと、すべて等しなみに自分の弱みにつけこんで襲いかかる敵に見えるのにちがいない。 (某書より引用)

■麻酔と括約筋■

 病室にもどって若い看護婦が愉快そうに話してくれたところによると、麻酔が効いてくると、括約筋が麻痺して肛門が直腸の太さに開いてしまう。そこから直腸の内壁にメスを入れたら、血膿がどっと流れ出てきて、膿盆に溢れそうになった。 […] 腹をさすってみると、いままでゴムマリみたいに張っていたのが、なるほど平たく柔かくなっている。 (某書より引用)