映画

面白いのは、日活ロマンポルノ時代の話だけじゃないぞ!(アキラの伝説とか渡哲也のデビュー期とか) -白鳥あかね『スクリプターはストリッパーではありません』を読む-

白鳥あかね『スクリプターはストリッパーではありません』を読んだ。*1 面白いというしかない。 賞も得ているので、本書を読んでいる方も多くいるだろう。スクリプターはストリッパーではありません作者:白鳥あかね発売日: 2014/04/30メディア: 単行本 以下…

反「教祖」・反「男性中心主義」・反「起源」としてのゴダール -ゴダールの贅沢さについて- 蓮實重彦『ゴダール革命』

『ゴダール革命』を読む。 一部の文章は既にネットにアップされているため、ネット上にあるものは、それを用いるものとする。 以下、「ゴダールの孤独」の章より リチャード・バートンとシルヴィー・ヴァルタンを主演に迎えるという当初のアイディアに固執し…

零度のシャシンを求めて (但し厳密には、決闘は行われていませんw) -篠山紀信,中平卓馬『決闘写真論』-

篠山紀信,中平卓馬『決闘写真論』を読む。 ただし、「決闘」とはいっても、文章の方(中平)の内容は、最終的に、篠山の写真に対する賛意で占められることになる。 特定の意味づけをすることのない、パンフォーカス的な「写真」(アジェ、エヴァンズら)への肯…

コーチング入門としても最適かもしれません -でも演劇より映画のほう好きw- 平田オリザ『演技と演出』を読む

平田オリザ『演技と演出』を読む。 演劇に関心のある人もない人も、読んで損なしの良書。 俳優はどうしても台詞をうまく言おうとして、台詞に意識が集中してしまう。 著者は、そこで、俳優に色々な"負荷"(歩かせたり、時計を見たりする等の、動作)をかけ、…

"老齢者"のメディア・映画に弄ばれる経験 -ロメールとイーストウッドをめぐって- 蓮實重彦『随想』(3)

具体的なものに触れること。それは、かつて「魂の唯物論的な擁護」を説いた著者にとって、当然の振る舞いといえるでしょう。映画を観ることに対しても具体的であることを常に説き続けた著者ですが、本作でも、その批評眼に衰えはありません。 例えば、亡くな…

小川紳介に学ぶ、「プロ」であるということ -"無いなら自分で作ること"について-

『小川紳介 (名古屋シネマテーク叢書)』によると、上野英信は次のように述べているらしい。革命論より前に、電気の簡単な配線が直せるとか、井戸のポンプのバルブをどう変えたらいいかとか、そういうことを勉強せよ、と。 上野は、『追われゆく坑夫たち』、…