2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

説明責任は、制度としてここまでやる必要がある。 豊永郁子「小沢一郎論」(下) (2)

■「複雑性の縮減」という政治家と政党の役割■ シュミッターとカールという学者は、民主主義のためには、政治的行為者の行動に一定の予測可能性が必要である、と指摘しているそうです(239頁)。著者はその主張を肯定し、民主主義には、政治家の行動がある…

誤解されがちなウェーバー的責任倫理 豊永郁子「小沢一郎論」(下) (1)

雑誌『世界』2010年8月号より■小沢批判というよりも、優れた日本政治論です■ 本論は、「小沢一郎論」という題名で、確かに小沢氏への批判の側面が濃いのも事実です。しかしむしろ、日本政治全体に対する批判、という趣が、「下」では強いように思います。 実…

人口問題は怖い、でもデフレはもっと怖い(?!) -藻谷浩介『デフレの正体』評について(2)-

以下、前回の記事の続き。 ■マクロ経済学と期待■ 三点目。藻谷氏は「投資が腐る」なる表現を用いて、ファイナンス理論は期待収益の概念があるのに既存のマクロ経済学は貯蓄があり、投資がなされればとにかく経済成長するという前提を敷いてはいないか?とい…

マクロ経済にケンカを売る!(けど負けてますよ) 藻谷浩介『デフレの正体』評について-

藻谷浩介『デフレの正体』というの本が、結構売れているようです。しかし、そのリフレ政策に対する批判は、正直、拙劣な部類です。でも探してみたのですが、ウェブ上に、本書に対する批判はあまりないようです。 例外として、「藻谷浩介 著『デフレの正体 経…

小論:江畑先生と斬首戦略、について -普天間基地の問題-

■前段■ 某掲示板の記事のコメ欄の方で、なぜか、拙記事へリンクが張られていました。どうやら、故・江畑謙介氏の普天間基地問題への言及ということで、取り上げられたようです。本当の出典元は、「軍事板常見問題&良レス回収機構」様なのですが。 詳細は、…