2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

"老齢者"のメディア・映画に弄ばれる経験 -ロメールとイーストウッドをめぐって- 蓮實重彦『随想』(3)

具体的なものに触れること。それは、かつて「魂の唯物論的な擁護」を説いた著者にとって、当然の振る舞いといえるでしょう。映画を観ることに対しても具体的であることを常に説き続けた著者ですが、本作でも、その批評眼に衰えはありません。 例えば、亡くな…

「無条件降伏」と「本土決戦」 -1945年、いかにして日本は分割占領されず、沖縄が「国体」の犠牲にされたのか-

はてブの方で、m-matsuoka氏より素敵なコメントをいただいたので、これをいじり倒してみたいと思います。以下、適当にWikipedia等を引用しつつ、適当に弄繰り回してみましょう。( m-matsuoka氏の素敵な足跡については、「id:m-matsuoka氏に答える」(『小熊…

「アメリカ」が「西欧」・「西洋」と等価でしかない日本の知識人の系譜 -ジャズと「アメリカ的」であること- 蓮實重彦『随想』(2)

■ジャズと「アメリカ的」であること、あるいは抽象的な日本の知識人たち■ 某団体への怒りで終わる本書ですが、その内容は大まかに、小説と映画への言及の二種類に分かれます。いつもどおりですね。 しかし、今回は珍しくジャズについても言及していたりしま…

人口減少衰退論者との対話(?)、あるいは不毛なはてブでのやり取りについて -『「デフレ」の正体』の影に-

以下に書くのは、はてブでのやりとり。主に、かの『「デフレ」の正体』の内容に関する事柄です。やり取りは、人口減少が日本経済に甚大な影響を及ぼしている、という思想をお持ちの方とのものです。こちらの立場は、人口衰退(及び少子高齢化)はそれほどま…