人口減少衰退論者との対話(?)、あるいは不毛なはてブでのやり取りについて -『「デフレ」の正体』の影に-

 以下に書くのは、はてブでのやりとり。主に、かの『「デフレ」の正体』の内容に関する事柄です。やり取りは、人口減少が日本経済に甚大な影響を及ぼしている、という思想をお持ちの方とのものです。こちらの立場は、人口衰退(及び少子高齢化)はそれほどまでに甚大というのでもないし、リフレ政策とその他政策による対応である程度何とかなります、という考えです。
 結局やり取りは、なんだか噛み合いませんでした。このやり取りに公平な判断をいただきたいと思い、以下にはてブでのやり取りをまとめておきたいと思います。
 経済学素人ゆえに、きちんと応答しきれていなかったという反省点も含みつつ、自らのコメにコメントしたいと思います。お気づきの点あれば、ご意見ください。

 予め、簡単にこちらの結論を書いておくと、

・生産人口が減るってことは、供給面では、供給が減ります。一方需要面では、生産人口が減ります。問題になるのは、非生産人口の問題です。しかし、仮に生産人口が消費を萎縮したとしても、非生産人口は貯蓄も相応にあるので、その消費分をカバーできるのではないでしょうか。
・労働時間の増減の方が、労働人口の増減より、日本経済の動向に与える影響は大きいです。データあります。
・「日本の高齢者の増加する変化率は、高いじゃないか」などという面白仮説もありますが、?デフレ状態であることの理由としては弱い、?そもそも原理的に労働人口減少は、デフレ要因じゃない(マネー量=物価 × モノ・サービスの量だから )、という二点によって反証されます。


?高齢者とデフレの関係

perfectspell 「高齢者世帯が増加するだけで、平均的な世帯当たり消費はむしろ増加する。」←高齢者が人口の9割くらいになれば間違いに気付いてくれるだろうか。高齢者の年金は 世代間扶助によって勤労者の給料から分けられてる。 2010/10/08

haruhiwai18 id:perfectspell高齢者の年金は世代間扶助によって勤労者の給料から分けられ」 →年金だけで食ってるわけねえ。勤労者の消費減分を、高齢者の消費増が上回るといいたいんでしょ。「高齢者が人口の9割」になる訳ないし 2010/10/30

Amazon.co.jp: デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)の野口旭の本を見よ "小宮隆太郎を読め"さんのレビュー より

 高齢者は単に年金だけで食べているわけはなく、ちゃんと貯蓄もあって、それで生活をしているのです。これは、参考文献に挙げた原田著にも記述があります。ただ、「勤労者の消費減分を、高齢者の消費増が上回るといいたいんでしょ。」というのは、今考えると多少言い過ぎていたかしら。

perfectspell >id:haruhiwai18さん 「9割」は勿論 率が高くなるとどうなるかをわかりやすく例えてみたのですが…。 /他国と比べて家計消費は伸びてないようです。http://sugar.alic.go.jp/world/world01/world0803a.htm 2010/10/30

haruhiwai18 id:perfectspell名目値の「家計の目的別最終消費支出」は一応は伸びているらしい http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-407.html/「他国と比べて家計消費は伸びてない」のは、やはりそれはデフレの問題じゃね? 2010/10/31

はてなブックマーク - Amazon.co.jp: デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)の野口旭の本を見よ "小宮隆太郎を読め"さんのレビュー  より

 「高齢者は単に年金だけで食べているわけはなく、ちゃんと貯蓄もあって、それで生活をしているのです。」というこちらの論点は、スルーされたようです。
 で、「他国と比べて家計消費は伸びてないようです」とおっしゃってます。それがどうしたというんでしょうか。その原因について、考えようとしているのに。重要なのは、人口減少と少子高齢化が、日本の不況・デフレ経済にどこまで影響を及ぼしているのか、という点です。


perfectspell >id:haruhiwai18さん 「勤労者の消費減分を、高齢者の消費増が上回る‐A」に対しての「他国と比べて家計消費は伸びてない」だったのですが。足枷。…まあ「デフレだから」でも良いです。Aが否定されるなら。 2010/10/31

haruhiwai18 id:perfectspell  「勤労者の消費減分を高齢者の消費増が上回る」と「他国と比べて家計消費は伸びてない」は矛盾してなくない?【高齢者の消費増分あるも、他国と比べ及ばず】もあり得る。後は菅原先生に聞いてみて 2010/10/31

はてなブックマーク - はてなブックマーク - Amazon.co.jp: デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)の野口旭の本を見よ "小宮隆太郎を読め"さんのレビュー より

 【高齢者の消費増分あるも、他国と比べ及ばず】は、そのとおりだといえるでしょう。今も考えは変わっていません。なお、「勤労者の消費減分を高齢者の消費増が上回る」ということの証明については、後述いたします。
 ここまでで登場した重要なポイントは、高齢者は単に年金だけで食べているわけはなく、ちゃんと貯蓄もあって、それで生活をしているのです」という当たり前の事柄です。
 まあ、菅原先生に頼ってしまったのは、先生に申し訳ありませんが。すいません。


?「長期」の問題

perfectspell 基準点を何時にするかで好きな結論が選べるだろう。/数年来(長期)の為替変動は国力の差。金融政策で調整するものではない。/ここ3ヶ月又は1ヶ月(短期)で見れば円高ではなくドル安。/金融危機後の円高金利差縮小の為。 2010/09/02

haruhiwai18 id:perfectspell 「基準点を何時にするかで好きな結論」を選ぶのはいいけど、「数年来(長期)の為替変動は国力の差」の「国力」って何かね?あと、「3ヶ月又は1ヶ月(短期)で見れば円高ではなくドル安」の根拠も。 2010/10/29

SYNODOS Blog : ドル安ではない。円高こそ問題だ。 片岡剛士 より

 「数年来(長期)の為替変動は国力の差」って、「国力」などという曖昧な語彙は、経済学以外でもあんまり使うべきじゃないと思いますが。
 後で触れる論点になりますが、「金融政策で調整するものではない。」という主張も、捨てて置けないものです。
 なお、「基準点を何時にするかで好きな結論が選べるだろう」という言及についてですが、これに対しては既に、

maeda 基準年で結論が変わるようなら、本文で片岡さんが書かれている通り「円高とドル安は表裏一体の関係であって、一方の側面のみを強調するのはそもそも意味がない」ということなんだよね。まあ、ちゃんと読もうぜ。http://htn.to/BiZUax #defle #デフレ危機

という回答が寄せられています。まあ、こんなものなのでしょう。

perfectspell id:haruhiwai18さん この場合の国力の定義は難しいけど"貿易赤字の国"や"国家財政が悪化した国(変化率)"が通貨安になるのでは。/短期だとドル安 http://kato.keiske.info/blog/2010/10/post-278.html 2010/10/30

haruhiwai18 id:perfectspell 国力の件、"貿易赤字"や"国家財政が悪化"とかデフレに関るなら金融政策重要じゃね?/「3ヶ月又は1ヶ月(短期)」なら10/30現在、円安から円高へ戻 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/rate/chart_eur.htm 2010/10/31

はてなブックマーク - SYNODOS Blog : ドル安ではない。円高こそ問題だ。 片岡剛士 より

 maeda様のいうように「一方の側面のみを強調するのはそもそも意味がない」以上、短期はドル安か円高化云々については、読者の皆様に結論をお任せしたいと思います。
 ここで問題となるのは、「"貿易赤字の国"や"国家財政が悪化した国(変化率)"が通貨安になる」という件です。まあ、「数年来(長期)」はこれだとおっしゃりたいようです。それに対して、こちらは、「国力の件、"貿易赤字"や"国家財政が悪化"とかデフレに関るなら金融政策重要じゃね」と返答しました。
 金融政策は、少なくとも短期(一般の語ではなく、経済学用語の方です)において、大変重要な政策です。金融緩和によって(マネーが増えますので)、円安になれば貿易にも関わります。国家財政についても、要は財政は”借金の利払いを上回る利益が出せれば問題ない”と考えてよいわけですから( いいのか? )、金融緩和によって景気を回復させる(助ける)ことが、国家財政立て直しの端緒となります。少なくとも、金融緩和とセットで無い限り、構造改革だろうと財政政策だろうと、まず失敗します。理由については、要するに、変動相場制だからなのですが。

perfectspellid:haruhiwai18さん 金融政策で貿易や財政に本質的(長期的)な手当は無理かと。せいぜい危機の緩和では? /リンク先の円ユーロは1ヶ月単位でも3ヶ月単位でもプラマイゼロで円高には見えないのですが。(10/30現在) 2010/10/31

haruhiwai18 id:perfectspell金融政策で「貿易や財政に本質的(長期的)な手当」なんていってません。/円ユーロは3かけ月はともかく1か月間なら円高に見えるけど(10/31)。水掛論/はてブ私物化乙 2010/10/31


はてなブックマーク - はてなブックマーク - SYNODOS Blog : ドル安ではない。円高こそ問題だ。 片岡剛士

perfectspell 右記へのレスは元ブ >id:haruhiwai18さん 元々は私の「長期の問題なら金融政策で調整すべきではない」に対するあなたの疑義かと。あなたが何を言ったかは あまり重要ではないのですが…。/1ヶ月で2円円高。1日だと0.07円ですか。問題とは思えま 2010/11/01

はてなブックマーク - はてなブックマーク - はてなブックマーク - SYNODOS Blog : ドル安ではない。円高こそ問題だ。 片岡剛士
 より

 「金融政策で貿易や財政に本質的(長期的)な手当は無理かと。せいぜい危機の緩和では?」という発言は、まあ、金融緩和の実力を舐めてますね。「せいぜい危機の緩和」などと平気な顔で書けるのですから。それに、「本質的(長期的)な手当」というわけの分からない曖昧な語彙に、本当は惑わされるべきではなかったのです。「せいせい」どころか、これなしでは、貿易も財政も良くなるきっかけはありえないのに。
 ところが、こちらは、「金融政策で「貿易や財政に本質的(長期的)な手当」なんていってません。」などと書いています。いけません。相手の曖昧な語に乗ってしまいました。皆様、気をつけましょう。単に、「金融政策舐めんな」といえばよかったのです。
 そんなミスにゆえに、「「長期の問題なら金融政策で調整すべきではない」に対するあなたの疑義かと」などと書かれてしまうのです。
 つまり、あちらの論方は、
?「数年来=長期」の為替変動は国力の差であって、"貿易赤字の国"や"国家財政が悪化した国(変化率)"が通貨安になる。?こういう「数年来=長期」なものには、金融政策で調整できるわけない。?「金融政策で「貿易や財政に本質的(長期的)な手当」なんていってません」なんていうけれど、「長期の問題なら金融政策で調整すべきではない」って僕は最初に言ったんだよ。
 ということですね。

 以上のどこに、罠が隠れているのでしょうか。
 「「数年来=長期」の為替変動は国力の差」のうち、「数年来=長期」というのが曲者です。「数年来」なら、経済学用語では「短期」でありるのです。
 というのも、経済学の用語の「短期」・「長期」は、何年間という時間の定義はありません。経済学における「短期」とは、「需要と供給が一致していなくても、価格が変化しない期間」ということです。価格がまだ硬直している状態ですね。で、「長期」とは「需給の不一致があった場合には、価格が変動し、需給のバランスが調整されるのに十分な期間」という意味です。つまり、いつの日にか需要と供給は調整されるのだ、ということですね。これらの概念は、時間の長さとは一切関係ないのです。(以上、『サルでもわかる経済学講座』の項目を参照。)
 よって、「"貿易赤字の国"や"国家財政が悪化した国(変化率)"が通貨安」になるとしても、当然、通貨高の国家に金融政策は十分有効です。「数年来=長期」なものには金融政策で調整しちゃいけない、なんぞ間違いです。だから、相手の?に対する返答は、【金融政策は経済学用語の「短期」(=「数年来」)には十分効果ありだから、やりましょうね。まあ、「長期」の問題になると金融政策のやりすぎは問題ありにもなりますが】ですね。

 まとめますと、?"貿易赤字"や"国家財政が悪化"などに対して金融政策は重要です。絶対に重要です。?ただし、それは経済学における「短期」(数年来もありえます)においては重要ですが、経済学における「長期」には、効果はないかもしれません。
 要するにこのやり取り、「長期」という語の定義が曲者だったのです。反省反省。


?人口減少とデフレ

perfectspell 買える額(消費)は稼いだ額(生産)なのに、生産人口減がインフレ要因になると思ってるとは。//人口減→輸出増は「だったらいいね」の期待でしかない。ポリアンナすぎる。 2010/08/18

haruhiwai18 id:perfectspell「デフレは、総需要が総供給を下回る、もしくは支出のスピードが供給のスピードを下回ることから生じる」。「買える額(消費)は稼いだ額(生産)」はどこの似非学問?労働人口減は実質賃金上昇でインフレ要因 2010/10/31


SYNODOS Blog : 少子高齢化は経済にどのような影響を及ぼすのか 片岡剛士
 より
 「買える額(消費)は稼いだ額(生産)」。これが今回の重要ポイントです。
 「人口減→輸出増は「だったらいいね」の期待でしかない」などと書いていますが、片岡氏は、そこのところ踏まえて書いているのですが。分かっておられないようですね。
 こちらは一応、「デフレは、総需要が総供給を下回る、もしくは支出のスピードが供給のスピードを下回ることから生じる」という片岡氏の定義を引用して、さらに、「労働人口減は実質賃金上昇でインフレ要因」という反論をしています。
 まあ、「似非学問」はいいすぎでした。「素人学問」で許してください。こちらもそうなので。

perfectspell >id:haruhiwai18さん あなたの信じる学問では「稼いだ額より多く消費できる」のですね。まるで魔法ではないですか。是非、無年金老人の引き取りを。/労働人口減はインフレ要因←頭の中は ともかく現実の日本はデフレ 2010/10/31

haruhiwai18 id:perfectspell生産人口減→生産人口+非生産人口の消費±、と供給の減。老人の貯蓄も考えよ。/http://tacmasi.blogspot.com/2010/10/blog-post.html生産人口比率の変化は物価上昇率と無相関/労働人口減はデフレ因果薄を主張してるだけ 2010/10/31

はてなブックマーク - SYNODOS Blog : 少子高齢化は経済にどのような影響を及ぼすのか 片岡剛士  より

 反論が面白いです。「稼いだ額より多く消費できる」という素朴理論です。「無年金老人の引き取りを」などという挑発まで飛び出しています。要するに、あちら側の主張は、【労働人口が減少する→需要減るんじゃね?→生産が減少するんじゃね?→じゃあ→稼ぎも減るんじゃね?→じゃあ消費減らすしかないんじゃね?→需要減るんじゃね→生産が減少する……】という素朴理論です。
 こちらはそれに対して、真正面から応えています。「生産人口減→生産人口+非生産人口の消費±、と供給の減。老人の貯蓄も考えよ」と。生産人口が減るってことは、供給面では、供給が減ります。一方需要面では、生産人口が減ります。問題になるのは、非生産人口の問題です。つまり、仮に生産人口が消費を萎縮したとしても、非生産人口は貯蓄も相応にあるので、それをカバーできるのではないかということです。少なくとも、プラスマイナスと理解可能です。
 しかも、他のブログ様では、「生産人口比率の変化は物価上昇率と無相関」という反論も存在しています。統計的に労働人口減はデフレ因果薄なのです。

perfectspell 供給ってモノでなくカネ(付加価値)で考えないと。作れるだけ作るのでなく、売れるだけ作ろうとするだろうし。/高齢化社会に備えて貯蓄というと、勤労世代が益々消費減。/ http://d.hatena.ne.jp/abz2010/20101011/1286799930 2010/11/01

はてなブックマーク - はてなブックマーク - SYNODOS Blog : 少子高齢化は経済にどのような影響を及ぼすのか 片岡剛士 より

 一つ一つ突っ込んでいきます。
 「供給ってモノでなくカネ(付加価値)」って何を言ってくれたのでしょう。「「供給量」=モノ」ととらえたのかしら。どのみち、人口減なら供給(付加価値)減少となります。日本はモノよりサービスに従事している人が多いわけで。サービスなら、モノに比べて頭数が大きいわけ(なはず)だから、なおのこと人数は重要な気もしますが。どうでしょ。
 「作れるだけ作るのでなく、売れるだけ作ろうとするだろう」、とはなんでしょうか。売れるだけ作るには、その生産力のためには、人数増えるか、生産性上げるしかないと思いますが。で、人数が限られるなかで「売れるだけ作る」わけだから、生産性が上がる必要があるが、それには時間がかかります。つまり、需要と供給がちゃんと均衡する「長期」ですな。その間、まず供給は不足していることになりますから、これだけだとインフレ要因になります。需要が供給に追いつかない間、でインフレ傾向になります。
 まあ、それだけの生産性があるなら、十分人口減少社会でもやっていけるので、安心安心です。
 「高齢化社会に備えて貯蓄というと、勤労世代が益々消費減」というのは、無論理解しております。そのためにも、権丈理論のような方法も十分筋が通っていることも、以前コメントしたことがあります。
 ただ、それはこちらのテーゼへの論駁にはなっていません。先のデータで明らかなように、?日本の小売りの消費は減ってないよ、?高齢者もちゃんと消費するよ、という二点から、少なくとも「勤労世代が益々消費減」が、デフレの主因という可能性は低いでしょう。
 
 なお、この御方が掲載したサイトについてですが、、

 API http://d.hatena.ne.jp/abz2010/20101015/1287159440こっちのデータもそうだが人口とインフレ率に強い相関があるようには見えないけど。むしろ人口増加率が低い国でもインフレになることを証明してないか。

 maeda_a 1)なんで人口減少が需要減にだけ効いて、供給減に効かないのかわからない。2)人口の増減って、インフレ率や需給の増減とはどう考えてもタイムスパンが違う。リーマンショックのような金融ショックの方が遥かに重要

 などのコメントがはてブ先にありましたので、紹介しておきましょう。

 まとめると、「生産人口減なら、生産人口+非生産人口で消費はせいぜい、プラスマイナスにしかなりません。老人の貯蓄も考えよ」と。生産人口が減るってことは、供給面では、供給が減ります。一方需要面では、生産人口が減ります。問題になるのは、非生産人口の問題です。つまり、仮に生産人口が消費を萎縮したとしても、非生産人口は貯蓄も相応にあるので、それをカバーできるのではないかということです。少なくとも、プラスマイナスと理解可能です。


?労働生産性

perfectspell 小結論1 "非労働力(高齢者)人口"増加を何故か"景気循環"要因に。/小結論2 成長会計の寄与度は"生産性"が1番高い→池田信夫大勝利となってしまう。/最後 影響大なのに社会保障への検証なしで結論。/http://bit.ly/bBNQj3 2010/09/14

haruhiwai18 id:perfectspell「成長会計の寄与度は"生産性"が1番高い」 → 本文データは「資本及び生産性の寄与」なんだけど。結局「人口変化が長期停滞の主因とする仮説は誤りだといえるのではないだろうか」ですね 2010/10/30

SYNODOS Blog : 少子高齢化は経済にどのような影響を及ぼすのか 片岡剛士

 まあこれについてとくに言うことはありません。これについては、

econ_econome 人口変化と長期停滞の関係を見ているのは題名の通り。社会保障の話題が主題ではないですよ。寄与度分解の意味を勉強してください。成長会計の寄与度は既存研究通り。批判の点は全て誤りですよ。 2010/09/14

という冷静なツッコミがなされています。まあ、これのとおりなのでしょうね。こちらの主張は、「人口変化が長期停滞の主因とする仮説は誤りだといえるのではないだろうか」という意見への賛同です。

perfectspell >id:haruhiwai18さん 成長会計は他国と比べ、日本の何がマイナス要因なのか? というアプローチが正しいのでは。http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4510.htmlは85-06年ですが95-06年なら如実に人口がマイナス要因とわかる筈。 2010/10/30

haruhiwai18 id:perfectspell出典元読んだ。「少子化高齢化によって就業者数が伸び悩むとともに労働時間の大幅な短縮(略)がもたらされたため、労働投入の寄与度がマイナス」か。その時間短縮も「労働基準法の改正の影響が大きい」 2010/10/31

はてなブックマーク - SYNODOS Blog : 少子高齢化は経済にどのような影響を及ぼすのか 片岡剛士

 「成長会計は他国と比べ、日本の何がマイナス要因なのか? というアプローチが正しいのでは」などといっていますが、じゃあ日本はどうなのよ、という話です。
 で、この御仁が掲げたサイトに行ってみたら、「少子化高齢化によって就業者数が伸び悩むとともに労働時間の大幅な短縮(略)がもたらされたため、労働投入の寄与度がマイナス」か。その時間短縮も「労働基準法の改正の影響が大きい」と書いてありました。実際、労働時間の要素の方が、労働人口減少の要素より大きいことは、原田著にもあります。まあ、「如実に」は明らかに違うわね。


perfectspell ↑レスはメタブへ >id:haruhiwai18さん 「就業者数が伸び悩む」というより、1995年をピークに毎年0.8〜1%ほど生産人口が減っているようです。http://d.hatena.ne.jp/yumyum2/20090924/p2 2010/10/31

haruhiwai18 ブックマークを削除する コメントを編集する メタブ遊び禁止 id:perfectspell 1995年の件、事実たるを確認。重箱な気もするが。で、「その時間短縮も「労働基準法の改正の影響が大きい」」という一文はお認めに?http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3100.html 2010/10/31

はてなブックマーク - はてなブックマーク - SYNODOS Blog : 少子高齢化は経済にどのような影響を及ぼすのか 片岡剛士

  「1995年をピークに毎年0.8〜1%ほど生産人口が減っている」のは間違いありませんが、それがどうしたというのでしょう。生産人口の増減が、どの程度日本経済に与える影響があるのか、って言う話ですけど。それは労働時間の増減と比較してどうか、ってことです。それに対して、

perfectspell >id:haruhiwai18さん 毎年、労働基準法を改正しないでしょう。というか1987年の改正について言及してるようですね。/この辺は詳細データあれば尚良し。1995年以降の各国比較の成長会計(就業者数と時間が別)。 2010/11/01

はてなブックマーク - はてなブックマーク - はてなブックマーク - SYNODOS JOURNAL : 我が国の人口変化は長期停滞にどの程度影響したのか 片岡剛士

 「毎年、労働基準法を改正しないでしょう。というか1987年の改正について言及してるようですね」だって。ちゃんとサイトの説明文を読みましょうね。
 「日本の労働時間の短縮に関しては労働基準法の改正の影響が大きい。世界からの働きすぎという批判を受け、1987年の新前川レポートが労働時間1800時間を国際的に公約してから、88年には法定労働週を48時間から40時間へ短縮する改正労働基準法が制定され(当面46時間)、さらに93年に40時間への実際のシフトが決まり、97年には猶予措置を与えられていた中小企業等についても猶予期間が切れた。こうした流れの中で、1990年代に、週休2日制が普及し、おりからの長期不況も時短の点からは幸いし国際的に見て「働きすぎ」でない労働時間が実現したのである。」
 要するに上記の理由で、労働時間は年段階ごとに、徐々に変わっていたのですね。なるほど。毎年法を改正しなくても、こういう変化はあるのです。あと、パートタイマーに労働人口の一定数が移動していったことも、重要です。つーかちゃんと本文読んだですかね。
 「この辺は詳細データあれば尚良し。1995年以降の各国比較の成長会計(就業者数と時間が別)」については、挙証責任は当然そちらのある以上、お前が調べろよ、という反論しておくことにしましょう。

 まとめますと、
・「寄与度分解の意味を勉強」しないといけませんね。あ、当方もですか。
「労働時間の増減よりも、労働人口の増減の方が、日本経済の動向に与える影響が大きかった」なんてデータは今のところ見つかっていません。


?高齢者人口の割合増加の速度は、デフレを招くのか?

perfectspell http://b.hatena.ne.jp/entry/www.amazon.co.jp/review/R37M605O33GVF8/ // 「同じように高齢者比率が増加しているにもかかわらず〜」 俺の目には同じじゃなくて90年から倍以上のスピードで高齢者比率が増加してるように見えるのだが。 2010/10/22

haruhiwai18 id:perfectspell 「90年から倍以上のスピードで高齢者比率が増加」 →「倍以上」は誇張。あと、?「高齢者は消費をしないこと」はやはり誤謬だし、?逆にデフレゆえに「生産年齢人口の減少」もありえるかも(笑) 2010/10/29

SYNODOS JOURNAL : 人口減少デフレ論の問題点(下)〜日本は「モノづくりの国」?高齢者は消費しない? 菅原晃


perfectspell >id:haruhiwai18さん "(他国と較べ)倍以上のスピードで"の意味です。12%から22%になるには他国は倍の時間でも達成できないようです。//世代間扶助を考えれば高齢者消費額の話はミスリードかと。 2010/10/30

haruhiwai18 id:perfectspell そもそも、高齢者割合増加の急激さが何でデフレに繋がるの?理解不可/「所得はあっても消費しない高齢者」というレッテル剥しが本論主旨。「世代間扶助」の問題は、また別の重要課題。落ち着いて。 2010/10/31

はてなブックマーク - SYNODOS JOURNAL : 人口減少デフレ論の問題点(下)〜日本は「モノづくりの国」?高齢者は消費しない? 菅原晃

 高齢者割合増加の急激さが何でデフレに繋がるの?理解不可」という点が問題です。
 なお、「所得はあっても消費しない高齢者」って書きましたけど、実際は書き間違いで、「消費しない高齢者」だけで大丈夫です。すいません。

perfectspellid:haruhiwai18さん そもそもは「同じように高齢者比率が増加しているにもかかわらず、日本だけがデフレなのはなぜでしょうか。」に対する訂正です。高齢者が増えれば勤労者と収入を分け合うのだから1人当たり需要は↓ 2010/10/31

haruhiwai18 メタブ遊び禁止 id:perfectspell じゃあ【他国でも高齢者率自体は増加しているにもかかわらず、日本だけがデフレなのはなぜ】。後は、菅原先生のブログで聞いてよ 2010/10/31

はてなブックマーク - はてなブックマーク - SYNODOS JOURNAL : 人口減少デフレ論の問題点(下)〜日本は「モノづくりの国」?高齢者は消費しない? 菅原晃

 「高齢者が増えれば勤労者と収入を分け合うのだから1人当たり需要は↓」ということですが、高齢者の貯蓄と消費を頭に入れていないのと、労働人口減少によって供給までも減ることを想定していません。
 【他国でも高齢者率自体は増加しているにもかかわらず、日本だけがデフレなのはなぜ】。ここが最大の問題です。実際、数々のデータによって、同じく高齢者率が高い国なのに、ずっとデフレなのは日本だけですから。
 また菅原先生に頼ってしまい、すみません。


perfectspell >id:haruhiwai18さん だから、「高齢者が増加してるにしても変化率は重要じゃないんですか」という疑義です。インフレ率も変化率なんですから。 2010/11/01

はてなブックマーク - はてなブックマーク - はてなブックマーク - SYNODOS JOURNAL : 人口減少デフレ論の問題点(下)〜日本は「モノづくりの国」?高齢者は消費しない? 菅原晃

 もっともらしく聞こえますが、ムリのある仮説です。まあ、この高齢者増加率については、上のサイトで既に反証がありますが。
 思いつく限り反論しておくと、
 ?高齢者割合の増加の度合いが日本のほうが大きいのは事実ですが、別にこれはデフレ状態にならずに、低インフレ状態であっても問題ないと思うのですが。なぜ、ほとんどの期間、デフレ状態なのでしょうか。
 もっというと、この議論をつきつめたら、ある国の非労働人口割合が100%になっても、その増加速度が一定度であれば、デフレにはならないことになりますが、いいのですかね。
 ?しかし原理的に言うと、インフレ率、つまり物価上昇率労働人口の増減の関係は、労働人口減だと物価は上昇(つまりインフレ)傾向になります。というのも、「マネー=物価×供給」と単純に考えた場合、マネーが一定なら、供給量が下がる労働人口減少は、これ自体ではインフレの要因になるからです。
 (ただし、クルーグマン流動性の罠に関する記述を敷衍すると、つぎのようになります。(『クルーグマン教授の経済入門』参照)。人々が将来物価は安くなるものとして振る舞う場合、どんなにベースマネーを増やしても、ゼロ金利になるあたりで物価は上がるのをやめてしまいます。同様に、人々が将来供給は減少するものだとして振る舞う場合、ゼロ金利になるあたりで物価は上がるのを止めてしまいます。ただしこれは、労働人口減少による”需要低下”じゃなくて”供給低下”、それも”それが人々に予想され、そのことが供給に影響を与える場合だけ”です。)
 
 以上、「「高齢者が増加してるにしても変化率は重要じゃないんですか」への疑問点です。インフレ率も変化率なんですから」という面白仮説は、?デフレ状態である証明としては弱い、?そもそも原理的に労働人口減少は、デフレ要因じゃない、という二点によって反証されます。

?こちらなりのまとめ
高齢者は単に年金だけで食べているわけはなく、ちゃんと貯蓄もあって、それで生活をしているのです。
・"貿易赤字"や"国家財政が悪化"などに対して金融政策は重要です。絶対に重要です。
・生産人口が減るってことは、供給面では、供給が減ります。一方需要面では、生産人口が減ります。問題になるのは、非生産人口の問題です。つまり、仮に生産人口が消費を萎縮したとしても、非生産人口は貯蓄も相応にあるので、それをカバーできるのではないか。
・「労働時間の増減よりも、労働人口の増減の方が、日本経済の動向に与える影響が大きかった」なんてデータは今のところ見つかっていません。
・「「高齢者が増加してるにしても変化率は重要じゃないんですか」という面白仮説は、?デフレ状態である証明としては弱い、?そもそも原理的に労働人口減少は、デフレ要因じゃない、という二点によって反証されます。


参考文献(?)
 人口減少による日本経済衰退論への反論については既に、原田泰先生が鈴木準氏と共著で『人口減少社会は怖くない』を著しておられますので、それが一番の必読文献となります。最近出た、『日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学』もどうぞ。
 もちろん
藻谷浩介 その6 『デフレの正体』」(『高校生からのマクロ・ミクロ経済学入門』様)
生産年齢人口が減るとデフレになる?」(『観の目つよく』様)
の統計にも御目通しください。

(終)


(追記)
 abz2010氏よりコメントいただきました。そこで以下に、紹介された記事に対する反論を書いてみます。


>この時の住宅需要を考える。住宅に限らず耐久財には大雑把に言って買い替え需要と追加購入需要が存在する

 確かに、住宅など耐久財は額も大きく、消費を左右します。住宅はその最たるものです。そして、耐久財は、耐久年数が長いため、買い替え需要は人口に比例する可能性があります。
 ただ、この世界にある消費財は耐久財だけではありません。これは、まあ想定されておられる反論なのでしょうが。
 もう一つ反論できるとすれば、それは量を質がカバーするのではないか、ということです。購入する住宅の質の問題です。仮に、人口が減少したとしても、その分購入される住宅の質が向上すれば、つまり現状より良質で高価な住宅を購入出来るようになれば、十分カバーできるでしょう。iPhoneのような斬新な新製品」のような斬新であること自体は必ずしも必要ではありません。
 そのためには、一人当たりのGDPが向上せざるを得ません。さらにそのためには、労働の生産性の向上が欠かせません。その方法については、前掲『人口減少社会は怖くない』をご参照いただきたいところです。そして前提として、金融政策などを用いたデフレ脱却と景気の回復が欠かせませんけど。

>ごく単純化されたモデルであり、実際には核家族化による人口当たりの住宅需要の変化等もあると思う
 
 こういうふうに、きちんと反証も考えておられるのは素晴らしい限りです。しかし、「このモデルで示したような需要への影響は、住宅だけでなくある程度一般にいきわたった耐久財においても同様に見られるはずである(例えば携帯電話とか」というのは、どうなのでしょう。携帯は結構買い替えの対象のように思います。せめて冷蔵庫とかのほうがいいように思います。

>総人口の増減と労働人口の増減は必ずしも一致しないので実際には総人口の減少率以上に労働人口が減少すれば労働力の不足感が強調される可能性はある。但しその場合には福祉等別の負担が増すわけであるが

 長寿化になるということは、これに当てはまることになりましょう。もちろん福祉負担というのがありうるわけですが、福祉の費用を考えてもなお、上の?に挙げた理由によって、やはりインフレ傾向になる可能性があります。

 最後に、念のため書いておきますが、人口減少や少子高齢化がインフレ要因になるといっても、別にこれがデフレ経済脱出に繋がるとは一切考えておりません。既に上に書いておりますが、むしろ、物価は一切上昇しなくても、このことが流動性の罠を引き起こすことに寄与する可能性は高いある、といっているのです。クルーグマンと同じ結論です。だからこそのインタゲなのです。