形式を踏んだら、やりたい放題です。

■ハロルド・ブルーム自身の「影響の不安」?■

 とにかく、自分で規定した抒情詩の原型が遵守されるか否かだけがブルームにとっての関心事だからであり、おのれの築いた「影響の不安(anxiety of influemce)」なる理論を当てはめるために、先行詩人の名前を列挙し続けるのみ。 (某書より引用)

西脇順三郎も似たことをやってたっけな■

 フランク・オハラは「これもやり、あれもやり、の詩」(I do this, Ido that poem)という書き方でつとに名高い。要するに、目に入ったものを手当たり次第に書き留めていくのである。それも、歩きながら、あるいはパーティで人と話しながら。 (某書より引用)

■形式を踏んだら、やりたい放題です。■

 「農具とカブハボタンのある風景」では、その古風な形式のなかに内容としてはきわめて現代的かつ大衆的なポパイ漫画のキャラクターが登場する。 […] 古めかしい高踏的な形式、それに対して軽薄とさえ思われかねない大衆的な題材とナンセンスな内容、この隔差は途轍もない。要するに規矩は定められているが、そのうえで過激なまでの自由がある (某書より引用)

■これで君も詩人になれる(可能性がある)■

 セスティナのような複雑な型式で書かせたり、今言ったように知らない外国語で書かれた詩を訳させることはしている。この課題は、自分たちが書こうとしているものから気をそらせるので、ひとりではとうてい書けなかったはずの詩を書かせることになる (某書より引用)