2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

"都市型狩猟採集生活"と資本主義のカンケイ -ホームレスであることの自由と、社会福祉について-

坂口恭平『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』を読む。 都市では、勤め人にならずとも、工夫すれば生きられることを証明している。 スーパーで、「無報酬でゴミ捨て場の掃除をやるので、その代わりあまった食材ください」と直談判する方法が紹介されている…

公費投入が、実は"ニッポンの大学"を変える可能性がある件 -矢野眞和『「習慣病」になったニッポンの大学』を読む 後編-

矢野眞和『「習慣病」になったニッポンの大学』を読む。続き。 著者は、世間のお偉いさんの(上記のような)「無理に大学に進学する必要はない」という主張を批判する。だって、高校や専門学校の就職は大学よりもっと厳しいから(213頁)。大学進学を目指…

いかにして「どうしてこうなった日本の大学 orz」となったか? -矢野眞和『「習慣病」になったニッポンの大学』を読む 前編-

矢野眞和『「習慣病」になったニッポンの大学』を読む。「習慣病」になったニッポンの大学―18歳主義・卒業主義・親負担主義からの解放 (どう考える?ニッポンの教育問題)作者: 矢野眞和出版社/メーカー: 日本図書センター発売日: 2011/05/24メディア: 単行本…

「ことだま でしょうか いいえ、誰でも」後編 -言霊について私が知っている二、三の事柄-

川村湊『言霊と他界』(講談社学術文庫版)を読んでみる。 Wikipediaの項目に、「声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与えると信じられ、良い言葉を発すると良い事が起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こるとされた」とあるように、元々言霊…

「ことだま でしょうか いいえ、誰でも」前編 -結局、「言霊信仰」って言いたいだけだろw な話-

"言霊信仰"ってのが、この世界にはあるそうで。 で、人によっては、日本人はずっと昔からこれに囚われてるんだ云々、といってる人もいるらしい。 実際どうなのよ。 ためしに「井沢説にみる日本人に独特の"宗教感情"」という記事を見てみようかな。 以下、引…

さすが大西巨人、教養に溢れてる -大西巨人『春秋の花』をよむ-

大西巨人『春秋の花』を読む。(作者のHPに、全文あり) アンソロジー集。 教養がにじみ出てて、お見事。 おれは上り坂を上って行くぞ。「死」のことはわからぬ。わからぬけれど上り坂だ。 これは、中野重治の短篇からの引用。 すごいのは、これを心内語と…

国歌斉唱と、トナカイと、地方自治と -大人な合意って奴を、生徒に見せてあげてね-

新保信長『国歌斉唱』を読む。 内容は普通。まあ強制は良くないんじゃないかな、的な内容。 一応ちゃんとしらべてて、「緑の山河」とか「われら愛す」の話題も出てくる。 ピチカート・ファイヴの「君が代」の話も出てる。 松山千春が、君が代に敬意を表しつ…

「プルーストってどんな人?」後編 -友情を信じることだけはしなかった人について-

アラン・ド・ボトン『プルーストによる人生改善法』をまた読む。 プルーストってどんな人? 喘息の人。 日中に多発するため、夜型生活に。 外出も控えるようになり、夏場の外出には、密閉したタクシーに閉じこもる他なかった。 部屋でも、カーテンで窓を四六…

「プルーストってどんな人?」前編 -彼の文章の秘密と、愛について-

アラン・ド・ボトン『プルーストによる人生改善法』を読む。 期待してた以上にに面白かった。 プルーストってどんな人? ある当時の駐仏英国大使曰く、「これまで私が出会った中で一番驚くべき男だ」 なぜか。 「なにしろディナーのあいだも外套を着たままだ…

結局、「顧客満足 < 数字(売上)目標」にしかなってない場合 -「経営戦略」初級編-

三品和弘『経営戦略を問いなおす』を読む。 日本とアメリカの大企業のことばかり書かれている。 まあ、好著ではある。 顧客を前にして、売上目標を語る愚かしさ(34頁)。 顧客第一とかいっておきながら、その第一であるはずの顧客満足(目標)が、売上目…